オステオパシーの施術を受けると治癒の働きを促すため、それまでのからだに足りなかった反応がでることがあります。水が不足していればのどが渇き、睡眠不足では眠くなり、老廃物が溜まっているとだるさがでたり、体外に排泄するためにトイレに行きたくなるといった具合です。
また時間を遡るようにからだが変化して過去の痛みがでたり、老廃物を一気に燃焼させようと強い反応が出て発熱する方、強烈なだるさで2~3日寝込まれた方もいらっしゃいました。いずれの方もその後はスッキリされているので、治癒の能力が高い方だったと思われます。
これらはすべては良くなるための経過です。施術を受けられた後は、ご自身のからだの声を良く聞いてやさしく労わってあげてください。
1) 休養
施術直後は、なるべくゆっくりとお過ごしください。用事のあるときも15~20分程度の仮眠がとれると、よりスッキリしていただけると思います。
2)仕事・運動
施術後2~3日は激しい運動を控えてください。治療開始1カ月以内はからだを丁寧に動かすように心掛けてください。(例
テレビやパソコンの画面に対してまっすぐ正面を向くようにしたり、動作をからだ全体で行うなど。)セルフケアの方法をよく聞かれるのですが、ウォーキングやラジオ体操をオススメしています。
3)排泄
a) 排尿/排便
老廃物は体外に出してしまうのが一番です。当院の施術は溜まっている老廃物を流し、排泄機能を高める効果があります。小便は色が濃くならないようマメにトイレにいくと日に7~10回くらいになると思います。大便は出来れば1日1回〜3回。たとえ1日1回でていてもスッキリ感のない場合や色・硬さ・排便にかかる時間・においなどによっては問題ありと考えます。毎回、確認すると良いでしょう。
b) 呼吸
からだに酸素を吸い込み、二酸化炭素を吐きだす。呼吸の大切な役割です。人は1日に約24000回呼吸を繰り返します。あまり知られていませんが、深く自然な呼吸は血液の循環を助け、肩甲骨周辺の筋肉や内臓のマッサージまで行ってくれています。肩こりやむくみ、冷えにも効果的。当院の施術では肺を包む胸郭や横隔膜、内臓を支える骨盤隔膜などにも効かせますので、呼吸が深くなります。忙しい時やあせっている時、不安な時は呼吸が浅くなりがちです。一度深く息を吐いてみてください。
c)皮膚
皮膚も排泄の器官です。汗や皮脂から有害金属やアンモニアなどの毒素が排出されます。普段汗をかかない人が汗をかくと最初はベタつきますが、かきつづけることでサラサラに変わります。散歩などしてみてはいかがでしょうか?またリンパの流れを助けることで皮膚の環境が整うと皺、くすみ、クマの状態にも変化がでやすくなります。
d)月経
子宮も排泄器官といえます。月経は女性にとってとても大切な排泄の時間です。からだを元気にしたり、良い方向に変化させるチャンスなのですが、痛みの伴う方はなかなかそうは思えないですよね。骨盤の調整や子宮に関連する自律神経へのアプローチ、姿勢による継続的な負荷を取り除くようにしてあげるとうまく変化することが多いです。婦人系疾患や不妊に対する変化も期待できます。男性の骨盤周辺の調整は前立腺の問題、ED、痔などにも関わってきます。
4)水補給
常温の水かお白湯がいいでしょう。ご自身の体格、小便の色などに合わせて1日500 ml~1000 mlくらいが目安となります。1日3食、みそ汁やごはん、野菜などの合わせると1000
mlくらい摂れているそうです。食事の回数や内容も考慮し、合計で1500 ml~2000 mlくらい摂れると良いでしょう。利尿作用の強いもの、例えばお茶やコーヒー、アルコール類はかえってからだの水分を外に出してしまします。ご注意ください。
5)食事
病気のほとんどの原因がここにあるといっても言い過ぎでないくらい食事は大切です。気をつけていただきたいのは咀嚼と量、バランスとタイミングです。
まずは食べすぎないこと。腹八分目か、七分目。ほとんどの方は過食傾向にあるので、六分目でもいいかもしれません。目安として外食の1人前は多いすぎると思ってください。過食は消化器の仕事を増やし負担をかけます。からだを修復するエネルギーまで消化に使われますと疲れがとれなくなります。たくさん食べてしまわないためにもゆっくりと良く噛んで味わって食べましょう。
また糖や小麦などアレルゲンになりえるもの、コンビニ弁当や加工食品に多く含まれる添加物の類も内に負担をかけます。添加物や遺伝子組み換え食品、小麦や糖、牛乳など気にすれば食べるものが無くなってしまうのではないかと思えますが、体調が悪い時や原因が明らかな場合は控えることも必要かもしれません。
あとは夜遅くに食べないことや間食をクセにしてしまわないことも大切です。
6)飲酒・喫煙
施術は神経系の統合や体内循環を改善することで治癒力を高めます。その日使える治癒のエネルギーをたばこやお酒の解毒に使ってしまうともったいない気がします。施術当日だけでも我慢できるといいでしょう。また飲酒や喫煙はビタミンやミネラルを体外に出してしまいますので、これらを積極的に補充することが望ましいです。
7)入浴
のぼせないように注意しながらその日の気温や自分にあった温度に調整して5分~10分くらい湯船につかりましょう。目安はお風呂から出るときに身体の表面が赤くなっているかどうか。なっていないところがないように温まりなおしてください。湯温は年齢によっても異なります。おこさんには39度くらいでも熱いでしょう。現在43歳の僕は夏42度冬43度くらいがちょうどよいようです。
8)姿勢
普段から楽な姿勢をとってもよいのですが、長時間同じ姿勢でいることはやめましょう。車のドライブやパソコン、スマホ、ゲーム、読書や編み物などじっとしがちな時は意識して休憩をとったり"伸び"をしましょう。当院では姿勢に関して独自の理論があります。見た目の良い姿勢って苦しいことが多いですよね。楽に立ったり、座ったり出来るように調整しておりますが、普段の姿勢はわりと曲者で無意識ではなかなか変わってはくれません。本当の意味でマスターするには患者さん自身が心がけて、ピンとくるものを体感するしかありません。姿勢と大きく関わっている呼吸も同様です。
9)睡眠時間
忙しく過ごしていると本当に大変なのですが、基本は就寝時間を安定させられるといいですね。注意したいのは寝る前のテレビ、読書、パソコン、スマホ、ゲームです。脳が興奮するので寝つきが悪くなりがちです。眠る1時間くらい前までには控えられるとよいでしょう。
本来はゴールデンタイムと言われている22時〜2時の時間の4時間を含むのが理想です。成長ホルモンなどの作用でからだの修復、造血が活発に行われます。低血圧、冷え性、貧血の人には特におすすめです。
眠るときの姿勢はなんでもいいです。痛いところが痛くないように、からだが緊張せずに寝つきやすい格好で寝ていただければと思います。枕が合わない方も多いですね。高さは人と向きによるのでご相談ください。
眠る時の格好ですが、僕は真夏でも長袖長ズボンのパジャマを着るようにしています。どんなに暑い夜も朝方は体温より10度くらい低い気温になると考えると、最低限肘や膝は隠しましょう。特に五十肩やギックリ腰の方はお気をつけくださいますように。
最後に
ビジネスの世界には、ピンチはチャンス!という名言があるそうです。僕なりに解釈すると、ピンチに落ちいるにはそれまでに何らかの問題があって、それを解決するよう考えたり、行動したりするために与えられたキッカケなのではないでしょうか。
からだも同じことです。症状のある状態をピンチとすると考動しないで放っておけば、きっとピンチのままです。せっかくご縁があってご来院いただき、最後まで読んいただいた貴方にとって、この機会を健康になるチャンスとしていただけるように精一杯サポートさせていただきます!
ただ体質を改善するという事はとても大変なことです。単純に赤血球の細胞の入れ替わりで考えてみても全部入れ替わるのに120日、つまり4カ月。変化を体感していただくのにそこまでかかる事はないですが、出来るだけ効率よく進めていきたいですよね。そのためには施術だけ受けているよりご自身の意識や行動の変化も大変重要です。
毎日の生活だけでも大変なのに、この健康生活を保つのはとても難しいことですよね。ちょっとずつでもいいんです。これまでより自分をいたわってあげてください。きっとからだは応えてくれると思います。